1 on 1 interview
理論物理学者から
企業研究員へ。
新しいキャリアで
ものづくりの未来へ挑む。
M.H
研究開発本部
技術開発センター
2022年入社
前職:大学でのポストドクター
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- 1on1インタビュー
- 12:M.H
Profile
大学で理論物理学を専攻し、ポスドク研究員(博士研究員)として研究活動に従事。2022年にムラテックへ入社し、搬送最適化のためのアルゴリズム開発を担当。複数のプロジェクトでリーダーを兼務し、産業と学術との橋渡し役として、未来に向けた研究開発に取り組んでいる。
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前職での経験・転職のきっかけ
理論を実践の場に応用。
キャリアの幅を広げて研究開発の道へ。大学で理論物理を研究し、ポスドクとして研究活動を続けていました。研究内容は、すでに世の中に知られている「解けない問題」に対して数学的アプローチを考えて計算したり、数値計算でシミュレーションを行ったりするものです。論文執筆や発表も含め、研究者としての活動を一通り経験しました。
ただ、アカデミックの道だけを進もうとするとどうしてもキャリアの選択肢が狭くなってしまうため、民間企業への就職も並行して考えました。IT、金融業界なども選択肢にありましたが、「実際にモノをつくる」産業分野に携わりたいと考え、メーカーを志望することに。いくつかの企業と出会う中で、数学や理論研究の能力を最も活かせると感じたのがムラテックでした。実験装置を扱う企業も多い中、当社は理論的なポジションで活躍できそうだったことが、一番の決め手になりました。 -
現在の仕事内容・やりがい
知識を活かしながら、研究と産業の橋渡し役として挑む日々。
今は研究開発本部で、搬送最適化のアルゴリズム開発を担当しています。主任として複数のプロジェクトをリードし、設計図を描くようにアルゴリズムを考え、実装やシミュレーションをメンバーに指示しながら進めています。週ごとにミーティングを重ね、性能検証や改良を行うのが主な業務です。アカデミックでは「学術的に面白いか」が価値基準ですが、企業研究では「製品やサービスとして役立つか」がゴールになります。今はその両方の「自分の得意分野を産業に落とし込む面白さ」を感じています。
日々の業務の中でのやりがいは、大学との共同研究などで橋渡し役を担えることです。私はアカデミックの世界を知っているので、研究者の視点も理解できますし、ムラテックの一員として企業側の事情もわかります。その両方をつなぐ立場としてアルゴリズム開発に携われるのは、大きな価値だと思います。 -
社風・働く環境について
キャリアデザインも描ける
のびのびと働ける研究職。部署によって風土は違うと聞きますが、研究開発本部はとくに裁量の幅が広いと感じます。お客様とやり取りして製品を作る仕事ではないこともあり、締切を守ればプロジェクトの進め方などは自分で決められます。在宅勤務にも柔軟で、私自身も会議が多い日は在宅に切り替えるなどワークライフバランスを保っています。
アカデミック出身者から見ると、会社員の世界は「組織でガチガチに縛られる」というイメージがありましたが、実際は思っていた以上に自由度があります。上司との1on1面談も定期的にあり、半年・1年・5年スパンでのキャリア面談も行われるので、長期的な視点を持って働けるのも安心材料です。また、海外のインターン生を受け入れたり、外部講師を招いたりと、外部との接点で風通しがいい雰囲気もあります。のびのびとものづくりができる環境ですね。 -
これからの夢や目標
10年、20年先を見据えた基礎研究を、産業の未来につなげていきたい。
私が担当している仕事は、それこそ実用化が10年、20年先といわれる技術も含まれています。今AIが爆発的に普及していますが、そこに着目するのではなく、むしろ未来を見据えて水面下で基礎研究を行うことこそ研究開発職の醍醐味だと思っています。産学が連携するようなプロジェクトを推進し、アカデミックの知識を産業に実装していく役割を、今後も担っていきたいです。そういった長期的な研究は、言い変えれば成果がすぐに見えないということでもあります。ですが、私自身は「だからこそ楽しい」と思うのです。成果はあとからついてくるものと信じて、未来に向けて技術を積み重ねる過程こそが、私のモチベーションになっています。アカデミックから企業へ移る例は日本ではまだ少ないと思いますが、固定観念にとらわれず、広い視点で選択肢を考えてみてほしいと思います。自分のキャリアも、ものづくりの可能性も、柔軟に広げていきましょう。